ビブラートやフェイク。豊かな声も手に入る練習法!

スタッカートを使ったトレーニングは、フェイク等の素早く動くフレーズに対応出来る柔軟性を養ってくれます。
さらにビブラートをかけるきっかけになってくれたり、豊かな歌い声を育てる等、恩恵をもたらしてくれます。

解説のポイント

  • 柔軟で無理のない発声には適切な声帯にかかる圧力が必要です
  • 近年のボイトレのトレンドとしてか、過剰な圧力をかける傾向のクライアント様が多くいます
  • 適切な声門への圧力を成立させるために、3つのオンセット法を紹介します
  • 適切なオンセット方法を使って、スタッカートトレーニングを行います
  • このボイトレによって習得が期待出来るのはこちらです
  • 「声の柔軟性の向上」「声帯の適切な閉鎖」「音程精度の向上」「ビブラートのコントロール」

桜田ヒロキのコメント

スタッカート・トレーニングは声楽系のボイストレーニングでは使われる事の多いエクササイズ・ツールだそうですが、Speech Level Singing系のボイトレでは使われる事のない方法論です。

ああ!なんてもったいない!このエクササイズ・ツールを習得し、クライアント様に教えると「ビックリするくらい声が出しやすくなった!」と言う方が続出しています。

ただ、このトレーニング法はすごく効果的なのですが、やり方を間違えるとまったく持って効果が現れません。
重要なポイントはかならずSimultaneous onsetと言われる方法で音を始める事。(動画で解説していますので観てくださいね!)
声門を過度に閉じるGlottal onsetや、息を過剰に漏らすAspirate onsetにしない事が大切です。(これらは歌唱表現としては使う事があります)
そして、3連符のノリをすごく重要にする事。

話し声を超えるスピードや複雑さを持つ歌い声は、まだまだ最新の科学でもわかっていない事がたくさんあります。
ビブラートの仕組みですら、2021年現在、細部までは科学的に分かっていないくらいだから!
ですので、ボイストレーニングにおいては「細かい仕組みを説明する以上に、以下に歌手の脳に刺激を入れ、声を上手に機能させるか?」が重要なように感じています。

リズムをまったく感じない中で、ビブラートをかける事は至難の業ですし、リズム感のないフェイクはどれだけ柔軟に声が動いたとしても「人工的なもの」に聞こえ、感動を生む歌声とはほど遠いものとなってしまいます。
動画内では、失敗例も含めすごく細かく解説していますので、充分に理解をして練習を開始してみて下さいね!

RECOMMEND
関連動画

鼻声ってなんで起こるの?

鼻声になるとあまり「良い声、美しい声」と認識されない事が多く、改善したいと言う方が多くスタジオにいらっしゃいます。
この動画では鼻声がどのようなメカニズムで起こっているのか徹底解説します。

WATCH MORE

ファルセットを使ったボイストレーニング方法を解説!

ファルセットは練習する事によって、複合的に習得できる技術がたくさんあります。ファルセットを使った練習方法を徹底解説します!

WATCH MORE

ビブラートや、フェイクが苦手。棒うたいになってしまう方に必要なエクササイズを紹介します

ボイストレーナーは低音〜高音まで無理なく発声する事、豊かな音色、声の柔軟性をトレーニングするために、その声に最も適した最も声門下圧を作る事を目指します。

WATCH MORE

自分の声が高いタイプなのか?低いタイプなのか? 見分ける方法を解説します!

知識解説の動画になります。自分の声がどのようなタイプなのか?把握しておくとボイストレーニングの観点的に非常に有用な情報となります。

WATCH MORE

歌うと喉の緊張をすごく感じる。リラックス方法を知りたい

歌うと喉の疲労が激しいわりに、大きな声が出しにくいというクライアント様に過緊張とは何か?改善は何か?を解説していきます

WATCH MORE

声楽からミュージカル歌手の歌い方へ変えたい!

声楽を学んできたが、CCM(コマーシャル・コンテンポラリー音楽)の発声方法も習得したいクライアント様のレッスン。

WATCH MORE

最新記事

ボーカル・ウォーミングアップの科学 第5話:女性歌手と月経周期

第5話:女性歌手と月経周期——周期で“効くウォームアップ”が変わる理由 「生理前になると高音が詰まる」「声が重くてピッチが当たりづらい」「何となく声の反応が鈍い」 女性歌手であれば、誰もが一度はそんな経験をしているのでは […]

ボーカル・ウォーミングアップの科学 4 環境や条件でウォーミングアップの効果が変わる!?

条件要因と介入順序の最適化——湿度・水分・睡眠・前日負荷・本番環境が“効き方”を変える ウォーミングアップをしても「今日はなかなか声が立ち上がらない」「昨日より時間がかかる」という経験は、どんな歌手にもあるはずです。 同 […]

ボーカル・ウォーミングアップの科学 3 -本当に必要か?

ウォーミングアップ・クールダウンは本当に必要か?——個体差と最適化 ウォーミングアップとクールダウンは、一般的にボイストレーナーやシンガーに「声の健康に欠かせないもの」として扱われてきました。 しかし近年、音声科学の進展 […]

記事をもっと見る
レッスンを予約する