過緊張な発声状態を解決します。

発声において、特に高音域の発声で最も邪魔な物で出来るだけ早急に取り除きたいモノです。過緊張発声(Hyper Tension)、つまり声を出すのが苦しい状態からの解除方法を徹底解説します。

解説のポイント

  • 過緊張発声とは「詰まった金切り声」のようなイメージもありますが、中には声帯の内転が不十分で息っぽさを含む事もあります。
  • その場合、声帯の閉鎖を一定まで高める事から開始する事があります。
  • 動画の女性の場合、低音声種(アルト)の可能性が高いです。
  • アルトの女性は、一定の音量のある地声を使った事のない方も多くいます。その場合、地声を引き出すようにする事があります。
  • 鼻声発声を行うと声道内に物理的に「負の共鳴」が起こり、声の音量、特定の周波数帯域のエネルギーが削がれるので、これを防止する事も重要と考えます。
  • その後、不必要な筋肉をさまざな方法で力を抜く方法をとります。

桜田ヒロキのコメント

「声を出すのが苦しい!」この状態を専門用語で過緊張発声と呼びます。

これが起こる原因は様々ありますが、病理的な状態でない発声である前提であれば「過緊張発声とは必要な筋肉が十分な機能しない事により、その周辺の筋肉が過度に働いてしまう」のが大きな問題と考えられます。

この場合、「必要な筋肉に必要な力をかける」事を恐れずに行う必要があります。

その後、積極的に不要な筋肉を使わせないように、肩を動かしたり、後頭部の筋肉の動きを制限したりします。
こういった状態で発声練習を繰り返す事により、体が「発声時に必要な筋肉はここ!」と理解して覚えてくれれば過緊張発声を卒業して行く事ができます。

ある程度、声から緊張が抜けるまでの期間は様々ですが、過度な緊張状態で発声を行う期間が長ければ長いほど、回復に必要とする期間は長くなると考えられます。

近年、声門の閉鎖に着目したボイストレーニングが流行っており、過緊張状態でスタジオにいらっしゃるクライアント様は年々増えているように感じます。

歌っていて苦しくなってしまう方がトレーニングに使える方法をたくさん紹介していますので、お試しください!

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