- 2021.03.17
- 声の健康法
冬場の乾燥は、朝の声にはとても堪えるもの。
ただでさえ朝の声帯は浮腫んだり、乾燥により声が低音化しやすいのに、真冬の時期の湿度は20%を切る事もしばしば。。。
この過酷な環境なのに「午前中からライブ配信がある!」「オンラインミーティングでお客さんに聴き取りやすい声で話さないといけない!」
と言う状況を乗り切るための方法を考えてみようと思います。
朝起きた時に声が出ない!
季節を問わずに言える事ですが、朝起きた時点でくしゃみや咳、鼻水が出やすい方は布団のほこりにアレルギー反応を起こしている可能性が高いようです。
布団に入ってから夜〜朝までずっと布団のホコリ等を吸い続けています。
喉の中には繊毛と言う小さな毛が生えています。
これが喉に入るホコリやばい菌などの異物を外に追い出してくれるそうです。
喉の中を掃除してくれるホウキのような役割を果たすものですね!
睡眠時にはその繊毛の働きが緩やかになり、その間に布団のホコリが喉や鼻に溜まります。
朝起きると繊毛の働きは再開されますので、そこで咳やくしゃみを起こすそうです。
タバコを吸う方は気管に付いているタバコの成分や痰などを排出しようとします。
ですので、非喫煙者と比べて咳、くしゃみ、痰は出やすいそうです。
しかし、喫煙は繊毛を麻痺させ、働きを止めてしまうそうです。
朝1番にタバコを吸うと繊毛が異物を外に排出する事をやめてしまうので、喉の違和感が長期化する可能性があります。
なので、ここぞと言う時は朝の一服は控えるのが得策でしょう。
繊毛の働きを考えると「早起き」は意外と重要
喉の繊毛の働きを考えると、繊毛の働きが強化されるのは起床後、数時間後ですので、
ここぞ!と言う時は1時間でも早く起きて、繊毛の働きの活発化を促し、異物を排出させる。
その後、喉が落ち着いた状態で声を出すシチュエーションに臨めると良いですね!
寝室に加湿器を導入しましょう!
冬の朝の喉の痛み、鼻の中の痛み、声のかすれ、低音化を解消するためには、ベッドルーム内の湿度を高く保つ事が重要です。
そのためには加湿器が1番良いでしょう。
僕の経験ですが冬場の30%を下回るような状況で見ると、加湿器を使った日と使わなかった日を比べるとまともに歌える状態になるまで1時間以上の差が出ます。
加湿器単体で購入すれば5000円程度で買えますし、15000円くらい予算を作れれば1年前のモデルですが加湿機能付きの空気清浄器が買えます。
加湿機能付き空気清浄器は2〜3年前のモデルでもきちんと機能しますので大丈夫です・・・!
ホコリも吸いますし、加湿も出来ます!
それを考えれば声を使う方のため、寝室の環境改善には良い投資ではないでしょうか?
「洗濯物を寝室で干しています!」と言う方がいますが、加湿にはほぼ約に立たないと考えて良いでしょう。
加湿器は1時間で500ml加湿出来るものが多いですが、洗濯物では夜通しでもそんなには水分を空気中に放出はしなさそうですね。。。
朝一杯のお水
朝は体が水分を滅茶苦茶欲しているのはご存じの事、常温のお水。もしくは白湯。
体に早く水分を入れるのであれば経口補水液(大塚製薬さんでしたらOS-1)が良いでしょう。
人間が生命を維持する上で水分は最も重要な物である事はみなさんご存じの通りです。
身体を作っている成分の65%が水である事からもそれは言える事だと思います。
脱水状態は人間の身体の最も苦手な環境
食料を体に入れなくても2〜3週間は生きられますが、水分を採らなければ4〜5日で人間は死んでしまうそうです。
あるスポーツトレーナーは、
「人間の身体はあらゆる環境に適用出来るように作られている。代表的な例では気圧の高低にも順応出来るし、酸素の濃度にもある程度順応出来る。栄養の不足している状態でも短期間であれば順応出来る。ただ脱水状態は唯一と言っていいくらい人間の体が順応出来ない状態なんだよ」
と言っていました。
朝の体は水分が枯渇している状態ですので、早く体に水分を入れる必要があるのは頷けますね。
最低ラインとなる水の摂取量
余談ですがに1日に摂取する水分量はどのくらいなのでしょうか?
30~40ml × 体重(kg)=基準値
そうすると体重が50kg程度の女性の場合、最低ラインが1.5リットル〜2リットル程度。
70kgの男性の場合、2.1リットル〜2.8リットル程度になります。
あなたがもしここの基準に届いていないのでしたら、水を気を使って摂取する事をオススメします!
声のウォーミングアップを急速に早めるシャワーでの声出し
リップバブルや裏声〜地声に繋げる発声、高い音を出そうとすれば声帯そのものを引っ張ってストレッチしている状態になります。
それにお風呂場の湿度が声帯の振動を助けてくれます。
例えばこんな風に裏声から地声に下ろす練習ならお風呂の中でも気軽に出来そうですね!
いかがでしたか?
朝一番に歌わなければならない時、朝一番の会議やプレゼンテーションでしっかり話さないといけない時。
加湿器で喉を潤わせる事、水分補給で体全体を潤わせる事。
そして簡単なボイストレーニングが助けになってくれそうですよね!
長時間のライブ配信をしている方はほぼ例外なく声を酷使しています。
ですので今日挙げた事はあくまで基本のケアとして毎日行う事をオススメします。
声の状態がひどい時は、専門の医師(音声外来の先生がお近くにいればベストですし、いない場合は耳鼻科医でも良いと思います。)に診察をしてもらう事。
そして勇気を持って声を休める事も必要な事です。
ヒアルロン酸の経口摂取は喉や声帯の加湿に有効か?の記事はこちら
歌い声を「取り戻すボイストレーニング」ボーカルRe-Balanceはこちら
この記事を書いた人
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セス・リッグス Speech Level Singing公認インストラクター日本人最高位レベル3.5(2008年1月〜2013年12月)
米Vocology In Practice認定インストラクター
アーティスト、俳優、プロアマ問わず年間およそ3000レッスン(のべレッスン数は裕に30000回を超える)を行う超人気ボイストレーナー。
アメリカ、韓国など国内外を問わず活躍中。
所属・参加学会
Speech Level Singing international
Vocology in Practice
International Voice Teacher Of Mix
The Fall Voice Conference
Singing Voice Science Workshop
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