最新記事一覧

  • 加齢を物ともしない声を手に入れるためには?パート3

    「加齢に負けない声を作るために、最も重要な事は?」と聞かれて直ちに桜田の頭を浮かぶのは「ボーカル・エクササイズを行う事」!だと思います。 特にシンガーが声を衰えさせないためには一定のボイストレーニングは必須になります。 Use it or lose it!(使うか無くなるか!) 身体と同じように、声のトレーニングを続ける事は声の劣化を防ぐ、もしくは声の機能を向上が期待出来ます。 とにかく定期的にトレーニングを行う事が重要で、週3〜6回程度、あなたの目標や重要度に合わせて計画するのが良いと思います。 「カラオケをいつまでも楽しみたい」が望みであれば週2,3回を目標にすれば良いと思います。 「プロフェッショナルなクオリティを維持したい、近づきたい」のであれば週5程度のトレーニングや練習は必要でしょう。 「トレーニング」「練習」「レッスン」 「トレーニング」「練習」「レッスン」を桜田は分けて考えています。 「トレーニング」は、ボイストレーニングを指すことが多く、達成するタスクを明確にしてボイストレーニングを行います。 多くの場合で音階練習、ボーカリーズで行… 続きはこちら≫

  • 加齢を物ともしない声を手に入れるためには?パート2

    ここまでは加齢により喉頭機能等、直接声を衰えさせないようにする方法を書いてきました。 今回は身体を急激な老化から守る観点で書いていこうと思います。 呼吸器の変化に対応するには? 有酸素運動や胸郭・腹筋・背筋などの体感トレーニング 呼吸筋は主に有酸素運動などでトレーニングする事が出来ます。 呼吸適度にが激しくなる運動は呼吸筋の発達・維持に役立ちます。 これらは加齢と共に低下して行きますので、年齢が進めば進むほど運動は重要になってきます。 呼吸トレーニング 呼吸の支えを使ったトレーニング、場合によっては呼吸トレーニングとしてパワーブリーズを使ってみるのも良いかもしれません。 もちろん歌唱トレーニング自体も呼吸のトレーニング要素を含みますので積極的に歌う事も大切です。 姿勢を正す練習 理学療法士の行う姿勢矯正や、ヨガ、ピラティスなども有効だと思います。 VTチームの中では三浦優子インストラクターがこれらのトレーニングを行っています。 優子先生の立ち姿は本当に美しいです・・・! 筋力の低下に対応するためには? 有酸素トレーニング 上記に記載されて… 続きはこちら≫

  • 加齢を物ともしない声を手に入れるためには?パート1

    ここまでのブログでは加齢による身体の変化、身体の変化による声への影響について話してきました。 今回からは加齢による声への影響を抑えるためにどのような事を行えば良いのかを考えてみましょう。 喉頭の変化に対応するためには? 男女ともに地声・裏声、その2つを上手に行き来するトレーニングを行う事。 地声の時は、声門閉鎖を強く行うため、甲状被裂筋、外側輪状被裂筋の活動。 裏声の時は、声帯を引き延ばす輪状甲状被裂筋の活動が優勢になると言われています。 (実際の筋運動はそんなにシンプルではないのですが、コンセプトを捉えやすくするためご了承ください) それぞれの筋力低下を防ぎ、筋連動を上手に行うために全ての声区(レジスター)のトレーニングが重要と考えられます。 これら声区をダイナミックに行き来するためには外喉頭筋群の連動も起こると考えられるため、全レジスターをまたいだボイストレーニングは発声に関与する筋肉をほぼ全てトレーニングする事が出来ると考えられます。 声帯の変化に対応するためには? 声帯のストレッチを行う事 ここで言うストレッチ運動は上記の全レジスターをまた… 続きはこちら≫

  • 加齢による機能性発声障害

    前回のブログでは加齢による声の変化はなぜ起こるのか?について書いてきました。 一般的には声の変化は40〜50歳くらいで起こると言われていますが、歌手や俳優が「だんだん声を出すのが辛くなってきた」と言う年齢は30台前半くらいでも珍しくはありまえん。 特に声が高い、軽やかな女性の多くは30代に差し掛かったくらいで一度、変化を感じ、そこから上手に技術の向上で対応出来れば大した問題にはならないようです。 しかし微妙な声の変化に対応出来ず、更にバランスの悪い発声が癖化してしまうと30代前半でも元は出来ていた発声が出来なくなってしまうと言うケースは少なくない様に感じます。 機能性発声障害? 近年、歌手が機能性発声障害と診断されたと発表する事が増えたように感じますし、皆さんもよく見かけているのではないでしょうか。 機能性発声障害とは、声帯などの発声器官に器質的な障害がないにもかかわらず、声が出しにくい、思うような声が出ないなどの症状が現れる発声障害です。全発声障害の患者さんの約8%を占めています。 機能性発声障害には、次のような種類があります。 過緊張性発声… 続きはこちら≫

  • 加齢による身体と声の変化とは? パート2

    呼吸器の変化 肺の容量の低下 加齢により肺の容量が低下します。 肺圧が下がる事により、音量の低下。 肺の容量の低下により長いフレーズを一息で歌いづらくなります。 肺の柔軟性の低下 肺の柔軟性の低下により呼気、吸気ともにスムーズに行う事が難しくなります。 内肋間筋、横隔膜の筋力低下 空気を吐き出す時に使う内肋間筋が弱くなります。 空気を取り込む際に使う横隔膜の筋力が低下します。 これにより呼気、吸気ともに下がると考えられます。 筋肉の変化 呼吸のプロセスを描いたグラフ。加齢により使えない空気の容量が増えます。 筋肉の質量の低下 加齢により前進の筋肉が減ります。 声帯は筋肉の占める割合が大きいため、それが減る事により音量の低下、高音化が考えられます。 姿勢の変化 筋力の低下により、姿勢に変化が起こります。 前屈みになったり、背中が曲がるなど、歌にとって好ましくない姿勢になりやすくなります。 柔軟性の低下 加齢により筋肉の柔軟性が失われます。 声帯そのもののしなやかな動きに影響は出るでしょうし、それは呼吸器を支える筋肉にも起こりま… 続きはこちら≫

  • 加齢による身体と声の変化とは? パート1

    体が年齢を重ねると共に変化をするのと同様に、歌手の声も加齢に伴って変化が起こります。 その変化に柔軟に対応出来れば大きな問題は起こりませんが、上手に変化に対応出来ず「年齢を重ねて歌えなくなってしまった」「下手になってしまった」と言う訴えを日々受けます。 もちろん年齢によって身体が変化し、その身体を上手に操作出来なくなる事は「下手になってしまった」と言う事と類似しているとも言えますが、年齢の時々に合わせた発声法を微調整していく事が大切です。 今回は具体的に加齢に伴い、どのように身体変化していくのかを書いてます。 喉頭の変化 喉頭は吊り下げられた組織 軟骨の骨化 喉頭は軟骨組織ですが加齢と供に柔軟性を失い骨化していきます。 骨折リスクも高まります。 筋コントロールの低下 他の身体の部位と同じように筋力が衰えます。 それにより音色のコントロール、ピッチのコントロールが難しくなり高音域が失われやすくなります。 喉頭が下がる 喉頭は筋肉などで吊られている組織です。 筋力の低下により喉頭が下がってきます。 喉頭が下がると音響的に若年時にくらべ低… 続きはこちら≫

  • Vocologistになりました。

    この度、桜田ヒロキはニューヨーク大学にてVocologyコースを修了し、修了証を獲得しました。 Vocologyとは? Vocologyと言う言葉はアメリカの科学者Ingo Titze氏によって作られた言葉です。 Ingoは「Science and Practice of Voice Habitation(発声強化のための科学と実践)」と定義しています。 医師やボイス・セラピストが行うリハビリではなく、求められたタスクに対して一般レベル以上の技能習得をさせる事を目的としています。 歌手が機能性音声障害に陥ってしまった際、一般的な機能回復が行われた声に対して、さらに高い発声技能を習得させる事を目標とします。 つまり医師や言語聴覚士からクライアントを引き継ぎ、歌手の技術を再構築させる事が出来ると考えられます。 認定Vocologist? 「認定されたVocologist」と言う言葉は存在しません。 Pan American Vocology Association (PAVA)ではVocologistの定義としてボイス・スペシャリストとして声の複合的な… 続きはこちら≫

  • ボイストレーニングと実際の歌は「異なるもの」なのか?

    仲良しのボイストレーナーの先輩(アメリカ人)と、僕の同期くらいのトレーナー(イギリス人)がFacebookで議論をしていました。 アメリカ人トレーナー「芸術性の追求の前に声の機能(改善が重要)」と書いたのに対し、 イギリス人トレーナー「双方とも伸ばす必要がある、それらを切り離す事は出来ない」と述べました。 イギリス人トレーナーの書いた文章はこちら 私はそれにあまり同意しません。 史上最もユニークで記憶に残るアーティストの多くは、機械的または技術的に自分自身を構築したわけではありません。 彼らは強いアイデンティティと美学/影響力を持つことから始め、その後訓練を受ける人もいました。 たとえばマイケル・ジャクソンのように。 もしインストラクターがメカニズム優先のアプローチで取り組んでいたら、ここまで素晴らしいアーティストは誕生しなかったと思います。 これはすべてインストラクター次第であり、歌手次第でもあります。 (失敗例として)機械的に歌い人たちにたくさん会ってきたが、彼らは機械的にリードしているからこそ完全に実現可能な美学を見つけることができません。(芸術的… 続きはこちら≫

  • 発声について「相談」は受け付けていますか?

    桜田のレッスンは無料体験レッスンは実施していないため、知人の紹介などから希に「レッスンではなく、相談を受けてほしい」と言う依頼をされる事があります。 原則としてボイストレーニングや歌唱指導について「相談」として無料での提供はお断りする事にしています。 ボイストレーニングを口頭で説明するほど無意味な事はないから 過去に何度か知人の紹介で「相談」と言う名目で時間をお作りした事はありますが、お困りの事を話しとして聞いても、お互い「仮説」を話す事になるので「これほど不毛な時間はないな」と感じた事があります。 「じゃあ、歌ってごらん」と提案し具体案を提案した場合、それは相談ではなくレッスンになってしまうので、提案する事は出来ません。 声を聴いて、トレーニングを提案すれば15分程度でお互い明確になる事を、「仮にこうである場合、こういう提案をする事があります。」 と言う説明では結果的に 「なんか説明なボイストレーナーだな」と思われてしまう事はボイストレーナー自身にとって損以外の何物でもありません。 このような提案をする事自体がプロフェッショナルとして無責任な行動に… 続きはこちら≫

  • 声にとって適切な練習時間や本番の時間って?

    コロナ渦に入ってから、2時間のライブや舞台を昼公演、夜公演と2公演行う事がわりと普通になりました。 これによりアーティストの声のケアや、安全な発声法の需要が一気に高まったように感じます。 実際、アーティストから「昼、夜の2回公演に耐えられる声にして欲しい」と発注を受ける事もあります。 この「長時間歌う」と言う事に関して言うと、よくクライアント様からされる質問の「1日の練習は何時間くらいにすれば良いですか?」にも答えられると思います。 一部のボイストレーナーは「正しい発声をしていれば何時間でも歌える」と言う方もいますが、果たして本当にそうでしょうか? 声の疲労度の簡単な算出の仕方 簡単な声の疲労度の算出の仕方があります。 それはこちらです。 声の出し方 × 声の音量 × 時間 =疲労の蓄積ポイント 声の出し方 喉の筋肉に過度な緊張を強いる発声、怒鳴り声やささやき声は声の浪費に繋がります。 出し方の工夫や、出し方の矯正が必要になります。 ボイストレーナーが行うのはこの声の出し方を矯正し、効率的な出し方にする事になります。 声の音量 … 続きはこちら≫

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