- 2021.10.22
- 声の健康法
あなたは、声の使いすぎによる声嗄れに悩まされていませんか?
特にこの数年、気になっているのがライバーさんと言われるライブ配信アプリの長時間配信による声の乱用です。
桜田はライブ配信アプリのライバーさんのオーディションの審査員を務めたこともありましたが、ほぼ例外なく全員の声を聞いて「声が疲れまくっている!」と感じました。
具体的には嗄声(させい)と言っていわゆる軽度〜重度の声嗄れを目の当たりにしてきました。
声の衛生 Vocal Hygieneについて
声の衛生管理は声を使った職業、もちろんライバーさんにとっても重要な事になります。
まずは一般的なものから紹介していきます。
※ 新 家庭の医学 時事通信に桜田のコメント添えています。
● 叫ぶ、金切り声 をあげたり、大声で笑う事を避ける
ライブ配信ですから、お客様あってですから、むやみやたらにテンションを低く話す事は出来ませんが、長時間に渡ってになると声にとっては非常に負担になります。
要所要所でハイテンションになるのは、わかりますが全ての時間を高い声、大きな声で話すのは避けましょう
● 無理な高さで話すのはやめ、快適な音域で話す
人はそれぞれ話していて「楽な音域」があります。
それを見極めましょう。
また、高い声、低い声に話す音域を固定するのではなく、上手に低音〜中音〜高音を満編なく使いましょう。
僕の知人のボイストレーナーは「メロディを話すように」と言っていましたが、まさにその通りで、音域を固定すると言う事は、声帯の摩擦が起こる場所が一点に絞られる可能性があります。
結果、摩擦の起こる箇所が声帯結節と化してしまうリスクが高いと言われています。
桜田は計測すると話し声で3オクターブ使っている事がわかりました。
おかげか、毎日8〜10時間のレッスンをしていますが、声を壊した事はほとんどありません。
● たばこ、ほこりっぽい場所は厳禁
言うまでもありませんが、声とタバコの相性は最悪です。
埃の立ちやすい部屋でライブ配信をする場合は空気清浄機、加湿器の導入を検討しましょう。
● 環境雑音など、うるさい場所では大声で話さない
自分の声が自分に聞こえていない時、人は思っている以上の大声になっている事が多く、少しも声の浪費をしたくないのであれば、うるさい環境での会話はダメージに直結します。避けましょう。
● 話したくても思うように声の出ない時は話さない
声帯結節は1日では出来ません。声の乱用を繰り返すうちに徐々に結節化していきます。
調子が悪ければ勇気を持って1日、2日ライブ配信を休む。話し声をなるべく使わない日を作ってください。
● 話す時に肩や首に力を入れない
発声が楽な、リラックスをした姿勢で話してください。
あとで動画を確認して胸鎖乳突筋(首の左右にある筋肉)が筋張って見えるのであれば、そのようにならない発声を見つけて練習をしてください。
良い発声は繰り返し行えば癖となり、無理なく話しやすくなります。
● 冷たい空気や乾燥した空気の場所を避ける
もし、ライブ配信を行っている部屋がこのような状態である場合、改善を検討してください。
● 屋外や広い部屋で遠くの人に対して話すのを避ける
相手の近くに行って話す。授業などであればマイクの使用を検討してみてください。
● 風邪をひかないように注意。風邪の時は出来るだけ声を休める。
風邪の時は、咽頭などの声道全体。そして声帯も腫れている可能性が高く、この時はライブ配信を行う事、歌う事自体が声にとってリスクになります。
風邪をひく事自体、体が休めて欲しいサインとも考えられます。
体の声に従ってください。
最後になりますが
いかがでしたか?
すぐに出来そうな事、なかなか難しい事があるかと思います。
しかし、これらの事を頭の片隅にいれてライブ配信や普段の生活を行っているかいないかで雲泥の差が出ると思います。
桜田は声そのものにはロールプレイングゲームでよくあるHP(ヒットポイント)があると考えています。
敵に攻撃をされると減って0になると死んでしまうアレですね。
例えば、声のHPが100だとして、
リラックスした発声であれば1時間で30消費。
無理な発声であれば1時間で70消費。
風邪の時であれば、リラックスした発声であっても無条件で50消費。
さらに無理な発声であれば100消費(死亡)みたいに。
とにかくよーくよーく作戦を立てて声にダメージを与えない話し方。そして生活を心がけてみてください。
つづき 「ライバーさん必見!喉の潤滑改善方法について」
歌い声を「取り戻すボイストレーニング」ボーカルRe-Balanceはこちら
この記事を書いた人
-
セス・リッグス Speech Level Singing公認インストラクター日本人最高位レベル3.5(2008年1月〜2013年12月)
米Vocology In Practice認定インストラクター
アーティスト、俳優、プロアマ問わず年間およそ3000レッスン(のべレッスン数は裕に30000回を超える)を行う超人気ボイストレーナー。
アメリカ、韓国など国内外を問わず活躍中。
所属・参加学会
Speech Level Singing international
Vocology in Practice
International Voice Teacher Of Mix
The Fall Voice Conference
Singing Voice Science Workshop
最新の投稿
- ミックスボイス2024.11.18加齢を物ともしない声を手に入れるためには?パート3
- 加齢による声の変化2024.11.12加齢を物ともしない声を手に入れるためには?パート2
- 加齢による声の変化2024.11.10加齢を物ともしない声を手に入れるためには?パート1
- 加齢による声の変化2024.11.10加齢による機能性発声障害