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歌声における共鳴と母音による音色の聞こえ方について
- 2021.07.28
- 歌手のための音声学
なんだか論文みたいなタイトルですね。(笑) ここまでシンガーの共鳴法について書いてきました。 ・声帯で作られる声の元について解析した記事 喉頭原音ってどんな仕組みで「声」に変わるの? ・それを共鳴腔に流し込む事によって母音や声色が生成される事について解析した記事 最強の共鳴メソッド?母音を科学的に解説! ・共鳴腔と倍音の関係性。その操作方法について書いた記事 母音と倍音の関係性。操作方法って? 今回はいよいよ歌唱における倍音と共鳴の関係性について話して行こうと思います。 歌声において重要な倍音・共鳴の要素とは? 共鳴周波数について 歌声において重要なのは、声色ではないでしょうか? どんなに高い声が出ても、それが歌唱に耐えられる音色でなくてはいけません。 ただ出る音域の事を生理的音域。 歌に使える音域の事を音楽的音域と呼びます。 僕らは音楽的音域を拡げる必要があるわけですね。 「個性のある声」と言いますが、その人の声色を認識出来る周波数帯域は大体3,000Hzくらいまであれば誰の声かは分かります。 より明確に捉えるのであれ… 続きはこちら≫
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母音と倍音の関係性。操作方法って?
- 2021.07.26
- 歌手のための音声学
前回のブログでは、日本語の5母音を声道の形状と共鳴と特性について解説しました。 日本語の5母音はイタリア語の5母音とほぼ近く、Pure Vowels(純粋な母音)とも呼ばれています。 今回は母音の共鳴特性と、倍音について、そしてそれぞれのコントロール法についてお話ししようと思います。 歌声において、倍音は歌った音程で決定される 整数次倍音においては「裏声 / 地声発声時の喉頭原音を音響解析」にもある通り、音程を歌った瞬間に出力される倍音が決定されます。 ※倍音と倍音の間に「草むら(Bush)」のように小さな山が出来る事がありますが、それは気流音であったり、声帯の均等でない振動が起った際に出る一般的には雑音とされる物です。 ただ、この雑音が歌声においては良い意味で「味」の認識される事も多くあります。 では、例題としてG2(低いソ)の音の喉頭原音のモデルを見てみましょう。 厳密にはG2は100Hzではありませんが、およそ100Hzとした場合・・・。 基音 100Hz 第2倍音 200Hz 第3倍音 300Hz と言った具合に、均等な周波数の幅… 続きはこちら≫
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最強の共鳴メソッド?母音を科学的に解説!
前回のブログ「喉頭原音ってどんな仕組みで「声」に変わるの?」では声帯で作られた音がどのように声に変わっていくのか?を説明しました。 またソース・フィルタ理論についてもお話しをしました。 今回は、日本語の母音がどのような声道の形状をしているのか?それによって、それぞれどのような特性があるのか? について科学的にお話ししようと思います。 まずは「い」母音 左側が口の中の図。 右側が周波数特性です。(黄色の線が周波数特性でF1, F2, F3)と数えます。 ※音響解析をする時に重要な事※ 母音を認識するためにはF1,F2(第1共鳴、第2共鳴)の2つの共鳴が必要となります。 喉側のスペースが大きくなるとF1の周波数帯が低い傾向にあり、逆に狭いとF1が高い傾向にあります。 口側のスペースが大きくなるとF1の周波数帯が低い傾向にあり、逆に狭いとF1が高い傾向にあると言う相関性があります。 「い」母音の特徴 ・舌の位置が非常に高く、前に位置。 ※耳鼻科で声帯を観る時に「い〜」と発音させられるのは、喉の空間が最も広く、観察しやすいからです。 ・喉側の… 続きはこちら≫
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喉頭原音ってどんな仕組みで「声」に変わるの?
- 2021.07.22
- 歌手のための音声学
前回のブログ「裏声 / 地声発声時の喉頭原音を音響解析」では声帯の圧着/閉鎖により作られる喉頭原音の倍音の特性が変わると言うお話を中心にしました。 今回は声帯で作られた音がどのように加工されていくのかお話しをします。 声の加工が声の音色クオリティの多くを決める 声帯で作られた音そのものは言葉も持ちませんし、個体差(個性)もほとんどないと言われています。 ただブザーのような「ブー」であったり「ビー」であったり、高さによって若干の聞こえ方に差はありますが、この時点では個性もなにもありません。 よく例えられるのが、声帯はギターで言うと弦の役割。 音色を決めるのは、ギターのボディの役割と言われています。 このボディの役割をするのが、声の世界においては声道(Vocal Tract)と呼ばれます。 この声道により、個体毎の声の音色を決定づけ、母音や子音と言った言葉を生成します。 この図で言うと赤い空間が声道にあたります。 観ての通り声道は声帯から唇までの空間ほぼ全てを指します。 余談ですが・・・鼻腔は共鳴腔なの? 鼻腔も声道の一部ですが、鼻腔で作られ… 続きはこちら≫