桜田ヒロキヴォーカルスタジオ

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PodCast by SLS master instructor John Henny


桜田ヒロキよりコメント


こんにちは!今日はJohnの前にフライングさせてもらいます。(笑)
なぜかと言うと今回のPodCastは今までのものと比べて格段に難しいのです・・・。

今回は英語の発音や単語を使って母音にトリックをかけて発声を楽にしようというアイデアなのです。
それらには日本語には含まれていない音がたくさん含まれているため、みなさんの多くはその違いが聞き取れないかもしれません。
ですが母音はSLSの発声法において非常に重要で、これを正しく行わないと正しい発声が行えないほどです。

もちろんボク達、日本人SLSインストラクターである僕たちはこれを理解して日本語で歌いたい方には日本語を歌うのに必要なものだけをレクチャーしています。
・・・英語の歌を歌いたい方は・・・覚悟してください・・・。(笑)
ですが、このPodCastは英語圏の人向けに作られているため、そういう訳にもいきません。

ですので今回のエピソードは、わからない部分を何度も聞き返して耳をトレーニングしてくださいね。
それではJohnに登場していただきましょう!


Narrowing Vowels




[TIME: 0:08]
こんにちは!John Hennyです。
今日も私のPodCastを聴いてくれてありがとう!

今日は多分最も早く発声法を直すアイデアについてお話しようと思います。
これを聞いてくれている毎日練習をがんばっている方の中には「なんだそれ?」と思ってしまうかもしれませんね。
それでいいんですよ!きちんと毎日練習をする事は重要ですし、それはきちんと続けてくださいね。

[TIME: 0:23]
でも例えば、レコーディングセッションが今晩あるとか、今晩ライブがあるとか・・・とにかく声をすぐに良くしなくてはいけないシチュエーションもあるかと思います。
そんな時にとても助けになるものがあります。
それは「Narrowing The Vowels(母音を狭める)」と言うテクニックです。
どういう意味でしょう?

[TIME: 0:40]
基本的には「ae(あぁ)」が最も広い大きな母音と言えます。
これ以上は口を大きく開ける事はできません。


※桜田ヒロキMEMO
Ahは日本語にはない母音です。日本語で言うと丁度「あ」と「え」の中間に位置する母音だと思います。
英単語ではCat、Thatを発音するときの「あ”」ですね。(笑)

[TIME: 0:46]
そして「Oo(うぅ)」が最も狭い母音です。
これを口を狭める事は出来ません。
他の外国語にはもう少し狭い母音があるかもしれませんが、英語ではこれが最も狭い母音と言えると思います。


※桜田ヒロキMEMO
アフリカの一部の地域であるか、標準語であるかはわかりませんが、舌打ちが標準の発音として組み込まれている言語もあると聞きます。
参考までにですが。(笑)
・・・ボク達が普段発音する日本語の中では理解の出来ない発音すらあると言う事なんです。
これらは一般的に発音するのも聞き取るのも困難です。


例外としては「Mmm」等、他に鼻を使う子音を「母音」として考える事も出来ますが・・・。まぁそれらはここでは置いてきましょう。

[TIME: 1:05]
私は母音をより広いものから、狭いものに整理をしていきます。
では、どのように母音は機能するのでしょうか?

まずは口を横に拡げるような「大きな母音」は、大きな母音はチェストヴォイスを押し上げ、シャウトをするような特性があります。
私達は「声がつぶれる」とか「母音が壊れる」と表現をします。
多くの場合で母音が拡がれば拡がるほどチェストヴォイスに掴まっていようとします。



※桜田ヒロキMEMO
つまり高音にいけばいく程、大きな母音はチェストヴォイスを押し上げ、問題となってくると言う事です。
たとえ、今までのエクササイズでよい発声を身につけていてもです。
これからJohnが説明していきますが、「狭める」必要があります。
逆にクライアントのチェストヴォイスが弱すぎる場合はこれらの母音を使ってチェストヴォイスを機能させるように仕向ける事に使います。
ただ、この大きな母音をトレーニングに組み込むのには、それなりの知識と経験が必要です。
Johnが言っている通り、取り扱いを誤るとチェストヴォイスを押し上げてしまう危険な母音だからです。

[TIME: 1:30]
もし大きな母音を広げたままアメリカ国家をこのように歌ったとします。

※デモンストレーション
「And the rockets' red glare, 」

・・・歌えません・・・。
これらの母音は狭めなくてはいけません。


※桜田ヒロキMEMO
何が誤っているのかをよく聴きましょう。
・・・シャウトしていますよね。
それにプラスして発音をよく聴くと「ラーケッツ・ラッド・グラア」と必要以上に母音が拡がってしまい、正しい発音が出来ていません。

[TIME: 1:42]
(上記の歌詞の)ラケッツ・レッド・グレアは・・・この音域ではロケッツ・リッド・グリアと発音する必要があります。

後でもう少しこれらは噛み砕いていきますが、とりあえず聞いてみましょう!
もしこれらの母音を正しく狭める事が出来たら・・・

[TIME: 2:00]
※デモンストレーション
「And the rockets' red glare, 」

red glare(母音を広げたまま)ではなく、red glare(母音を狭めて)です。


※桜田ヒロキMEMO
Johnが母音を微妙に狭めている場合、うまくヘッドヴォイスにリリースされているのを観察してみましょう。


私はこのフレーズを楽に歌うために、大きな母音「Ah」を狭めて押さえ込んだのです。

では、どのように母音を狭めていくのでしょうか?

[TIME: 2:16]
<母音の系統について>

基本的に母音は「Oo(うー)」系統と「Ee(いー)」系統に分ける事が出来ます。
どんな母音でも極端に狭めていくとこのどちらかの系統に行き着く事になります。

[TIME: 2:28]
<[ae]音の置換>

では「ae」と言う母音から始めていきましょう!
[ae]と言う母音は極端に狭めていくと「Ee(いー)」に行き着きます。
「Bat」と言う単語で使うAhは「Bet」のEhに置き換えます。

もしThatと言う単語を歌う時、もしチェストヴォイスの音域だったら・・・
※デモンストレーション
「That」
と歌う事ができます。

でも、もしこの高さ、つまりはヘッドヴォイスの音域だったら
※デモンストレーション
「That」
歌う事が出来ません。

[TIME: 2:51]
ですので[ae]をEhに微妙に変えてみましょう。

※デモンストレーション
「That」

「That」(母音を広げたまま)ではなく、「That」(母音を狭めて)です。
この音域では私は「Thet」と発音しているのです。


※桜田ヒロキMEMO
日本語にはない発音ですので、英語を歌いたい方で無い場合はここはさらっと流してくれて大丈夫です。


[TIME: 3:02]
<Eh音の置換>

「Bet」という単語で使うEhと言う母音は「Bit」のiに置き換えます。

では低音なら

※デモンストレーション
「Bet」

・・・で歌えますが高音では・・・

※デモンストレーション
「Bet」

もし狭めないと「Bet」(少し引っかかった声で)となってしまいます。


※桜田ヒロキMEMO
微妙に「え」という発音に「い」を混ぜ込んでいるのを聞き取ってみてください。


[TIME: 3:16]
<i音の置換>

では次のステップに行ってみましょう。
もし「Bit」のiの発音が元の母音だったら「Beat」のee(いー)に変えて行きます。

[TIME: 3:28]
<eI音の置換>

他の「Ee(いー)」系統の母音では「eI(えい)」があります。
これはdiphthong(ディップソング)と言って2つの母音のコンビネーションになります。
この母音の狭め方の難しいところは「え」と「い」を発音する時にどちらも「Ee(いー)」の同じ口で発音する必要があります。


※桜田ヒロキMEMO
つまり、2つあるうちの1つ目、「え」の口のあけ方では高音域を歌えないので、たとえ「え」を発音するときでも「い」の狭い口のあけ方で発音する必要があります。


みなさんが「Ee(いー)」と発音している時の口をよく観察してみましょう。
舌が上あご側に上がってきますね。
ではまずは「Ee(いー)」と言ってみてその後に「eI(えい)」と口の形を変えずに言ってみましょう。

丁度アイリッシュアクセントで「faith」の「eh(えぇ)」を発音する感じです。
この微妙な発音の置き換えがブリッジ(パッサージョ・声の切り替えポイント)を乗り越えるのを助けてくれます。


では次の母音系統、「Oo(うー)」系統を見て行きましょう。


[TIME: 4:00]
<Ah音の置換>

この系統の最も大きな母音は、単語「Father」の「Ah」です。
この母音は「Mother」の「Uh」に置き換えます。


※桜田ヒロキMEMO
これは日本語でも多く使えますので重要です!
Ah(あ)とOh(お)の中間を狙って発音します。


[TIME: 4:13]
<A音の置換>

「Mother」の「A」は「Book」の「U(発音記号が特殊なので書けません・・・。)」に置き換えます。


※桜田ヒロキMEMO
Bookの「う」の音は日本語に存在しません。
ちょうど「お」と「う」の間を狙って発音するとこの発音になります。


<U音の置換>
「Book」の「U」は「Boot」の「Oo」に置き換えます。

[TIME: 4:23]
<Oh音の置換>
「Oo(うー)」系統に所属しているdiphthong(2つの母音のコンビネーション)は「Oh」で「お」と「う」の組み合わせになります。
このコンビネーションを発音する時は「Oo(う〜)」の唇の形で発音していきます。

この母音は低音では・・・

※デモンストレーション
「Noh」

と発音しますが高音では・・・

※デモンストレーション
「Noh」
と発音をしていきます。

どちらも同じ母音に聞こえますが、低音部と同じ発音の仕方を仮にしてしまった場合、「Noooooh(の〜〜〜)」は「Naaaaaaah(な〜〜〜〜〜)」のように聞こえてしまいます。
母音は拡がってしまいますし、チェストヴォイスを持ち上げてしまいます。


[TIME: 4:55]
<2重母音の歌唱法>

それではこれからもう少しdiphthong(2つの母音のコンビネーション)についてお話したいと思います。
diphthongは2つの母音を組み合わせた母音の事です。

例えば「My」の中には「Ah」と「ey」の2つの母音があります。
私達は普段しゃべる時、無意識に「My」とくっつき合わせています。

でも歌う時はこれらの母音を同時に歌う事はできませんのでこれらを分ける必要があります。
多くの場合で、シンガーはdiphthongがあった場合、1つ目の母音を強調する事になります。

つまり・・・

[TIME: 5:30]
※デモンストレーション
「mayyyyyyyyy」


※デモンストレーション
「maaayyyyyyyy」
とは歌いません。

※デモンストレーション
「Maaaaaaaaaaaaaaay」
と歌うのが自然ですよね。

[TIME: 5:40]
そして母音の置き換えに関しても、最初に発音される1つ目の母音に対して行います。

Myの最初の母音は「Ah」ですのでこれを「Uh(「あ」と「お」の中間音)」に置き換えます。
ですので「My」は「Muuuuuuuuuhye」になります。

そしてセカンドブリッジを歌うと

※デモンストレーション
「Maaaaaaaaaaaaaaay」
になります。

「mayyyyyyyyy」
でもなくて
「maaayyyyyyyy」
でもありません。

「Maaaaaaaaaaaaaaay」
ですよ!

この高さでは「Ah」は「Uh」でなくては発音できません。


[TIME: 6:07]
<ソング・アプリケーション>

では一番最初にお話したアメリカ国家「The star spangled banner」をアプリケーションとして使ってみましょう。
私の1つ目のブリッジ、ヴォイス・チェンジの場所でデモンストレーションしてみましょう。

Oh, say can you see...
この辺りは簡単ですが・・・この中音域以降が問題になってきます。

by the dawn'sと言う歌詞の場所です。
音域は私の1つ目のブリッジのど真ん中です。
by the dawn'sと言う3つの単語は私は何かしらの母音の置き換えをしなくては、歌う事は出来ません。

[TIME: 6:36]
では最初の単語「By」はdiphthongで「Ah」と「Ey」の2つの母音のコンビネーションですので、ここは1つ目の母音「Ah」を長めにとります。
そして「Father」の「Ah」を「Mother」の「Uh」に変換します。
この単語は「Buh,Ey」と発音します。

そして「The」の母音は「Uh」ですのでこれを「Book」の「U(「う」と「お」の間の発音)」に変換します。

次の単語、dawn'sは「Father」の「Ah」を「Mother」の「Uh」に変換するので「Down's」のように発音します。

これを歌うと
by ・・・「baaaay」ではなく「Buh,Ey」
the・・・「Thaaah」ではなく「Thuh」
dawn's・・・「daaaawn」ではなく「doooown」

・・・となります。

[TIME: 7:11]
母音の置き換えの素晴らしいのは、みなさんが高音域をミックスヴォイスで歌いやすくするだけではなく、聞いているオーディエンスは母音が変わっているようには聞こえずに正しい母音を発音しているように聞こえます。
これには音響科学的な理由を挙げる事ができます。
例えば高音域に行くのにつれて母音に掛かるエネルギー量も増えて行く事になりますので、これらを抑えこんでオーディエンスに同じように聞こえるようにしなくてはいけません。


※桜田ヒロキMEMO
母音を逆に狭める事をせずに高音域を歌った場合、実は母音は拡がりすぎて低音域で聞こえる母音と同じようにリスナーには聞こえていません。
「あ〜」という母音のまま高い音を歌えば、リスナーには「あ」と「え」を混ざったような「あ」が聞こえている事になります。
これは歌うための本当に素晴らしいツールなんですよ!

[TIME: 7:37]
みなさんの練習している曲を持ってきて、私がさきほどやったように歌詞を細かく母音をわけて置き換えを行う母音を見つけていきましょう。
最初はその置き換えを練習のために極端にやってみるといいでしょう。

[TIME: 8:00]
もしこの理論が難しかったり置き換えが思いつかなかった場合は、両方のほっぺたに手を置いて口を縦に抑えつけましょう。
まるで金魚の口になるようにです。

そして曲の中で難しいフレーズをその状態で歌ってみましょう。
その感覚に注意を向けて感じましょう。
どこに響きを感じるのか?母音を狭める事で体感がどのように変わるのかを感じましょう。
その後、手を離して同じような感覚を感じるように歌ってみましょう。

さぁ・・・練習をしていきましょう!

[TIME: 8:30]
もし質問があったる場合は・・・
john@johnhenny.com

もしくは私のWEBサイトまでぜひ来てくださいね!
http://johnhenny.com

※桜田ヒロキMEMO
Johnは日本語は話せませんので、こちらのメールアドレスに日本語のメールを送らないように注意してくださいね!

Just keep singing! have fun! and enjoy the journey!
Bye bye!


桜田ヒロキよりコメント


お疲れ様でした!
どうでしたか?今日のは本当に難しかったでしょう・・・。
とてもハイ・レベルなお話でしたね。

もし日本語を歌うのにあたって問題となるのは「あ」や「え」と言った口を大きく開けるような母音です。
ですのでJohnの説明通り、「あ」を高音域で発音する時は「あ」と「お」の間を狙うつもりで、「え」を発音する時は「え」と「い」の間を狙うつもりで歌うと高音域がビックリするほど楽に歌えるのを体感できると思います。

桜田ヒロキのブログでも「母音を狭める」事により高音域へアプローチするテクニックについて詳しく書かれていますので参考にしてみてください!
高い声って訓練で出せるようになるものなんですか?
発音と発声の親密な関係(はーと)

レッスンに来た事のある方はご存知だと思いますが、僕たち、SLSインストラクターはレッスンの時にこの母音の発音をとても注意深く観察しています。
発音と発声は密接な関係にありますので、どうぞみなさんも音楽を聴く時に歌手の「発音」にも目を向けて見ると良いと思います。